いろいろなものが軍で行方不明となっているが、これは予測されている。米国防総省でもそうだ。
昨年の10月、国防総省の監察官が、「米軍の会計官が、駆逐艦一隻、戦車数台、装甲車数台、マシンガンが数百台、一連の弾薬、グレネード・ランチャー(擲弾発射筒)数台、地対空ミサイル数基の所在が不明であると言っている」と報告した。全部で80億ドルの武器が無断で持ち出されている。
これらの異常事態はもちろん悪いが、真に肝を冷やすのが、すべての武器の母である水素爆弾が行方不明になっていることだ。
モスクワを灰にしようと作られている水素爆弾は熱核反応の武器であるが、40年ものあいだジョージア州サバナの海岸のどこかに埋まっている。
米空軍はこの爆弾を見つけ、安全に処理しようというよりは、この失敗を隠そうと必死である。
大きな地図で見る
(狭依彦)
1958年2月5日夜、B-47爆撃機が水素爆弾を積んでいて夜間訓練飛行中にF-86戦闘機と36,000フィートの上空で衝突した。戦闘機は破壊されたが、爆撃機も翼に重大な損傷を受けた。
爆撃機の機長は緊急着陸をする前に水素爆弾を廃棄するように指示を受け、それを実行した。そして、サバナ川の河口近くのWarsaw Soundの浅い海に捨てた。
水爆の爆発は起こらなかった。
その後、Warsaw Soundは米空軍により封鎖されて探索が行われたが、6週間の探索にもかかわらず爆弾は発見されなかった。
事故から1ヵ月後、サウス・カロライナのフローレンスで、また、水素爆弾が落とされる事故が起こったからだ。
この事故では、爆弾の200ポンドのTNT火薬が爆発し、一体に放射性廃棄物をばら撒いたからだ。幸運にも、水爆自身は爆発しなかった。
この後、Warsaw Soundでは再び捜索は行われず、事故は隠されることになった。
1958年の1月から3月までの間に、水素爆弾が関わった事故が4件も起きている。
また、1966年には水素爆弾を4発搭載したB-52がスペイン上空で空中給油中に事故を起こし、スペインの村に3発の水素爆弾が落ちTNT火薬が爆発し環境を汚染する事故が起きている。
なお、Warsaw Sound、40年以上後に、前空軍隊員とCIAのエージェントの深海サルベージ会社が爆弾の存在を公表し、100万ドルで場所を特定する申し出をした。このことから、住民が爆弾の調査を求めている。
元記事
浅い海ですから、周辺を開発する際に、誤って爆弾を破壊する可能性もありますし、水爆が見つからないと、周辺海域を重金属で汚染する危険性があるのですね。
それにしても、米軍も「ずさん」ですね。
この分だと、インフルのウイルスが失われているのも、「陰謀」というより「ずさんな管理」もあるかもですね。
【国際北米の最新記事】