ここ5年で銀行やヘッジ・ファンドの日用食糧への投資は410億ポンドから790億ポンドに増えた。そのおかげで、食糧価格は30年間で最高となり、現実の食糧の需給とは関係なく急激な価格の乱高下を招いている。
ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー、バークレイズ・キャピタルなどのヘッジ・ファンド、ペンション・ファンド、投資銀行などが、現在では、日用食糧市場を支配している。
2011年の農業製品への思惑投資はすべての国々の農業援助の総額の20倍であった。
ゴールドマン・サックスは日用農業製品市場での最大のプレイヤーであるが、2009年の食糧投機では6億ポンドを稼いでいる。第二位はバークレイズ・キャピタルで2010年には3億4千万ポンドの利益をあげている。
食糧は1990年代から2000年にかけて、ゴールドマン・サックスなどの強烈なロビー活動によって、それまでの規制が緩和され、先物の投機的投資が行われるようになった。
2008年からの食糧不足は、需給の関係、バイオ燃料などのせいにされてきて、有力な学者たちは、投機を直接の原因にしたがらないが、ある程度の影響を認めざるを得ない。
例えば、2010年度世界の小麦価格は倍に上がったが、世界の小麦の供給量は減っていないことを、インドの学者も認めている。
ケニアのシングルマザーで失業中の女性、8歳の娘があり、83歳の父親の面倒を見ている。
最近、ケニアで食糧価格が急上昇したとき、彼女の家族は極端に節約することを余儀なくされた。
「昼食を食べるのはやめました。そして、ほとんどない残りを夕食で食べなければなりません。
お茶は砂糖抜きで飲んでいますし、また、時には朝食を食べられないこともあります。
食べ物を買うお金を得るために、すごく沢山の洗濯をしに行きますが、時々、非常に疲れて倒れてしまうこともあります。
夕食は、水と塩と小麦粉を混ぜたものを1,2カップ食べるだけです。
生きてゆくことが、ものすごくたいへんです。」
元記事
この元記事はイギリスの新聞。
このサイトでは3月23日の記事でも食糧価格の話を取り上げています。http://icke.seesaa.net/article/259649983.html
「ゴールドマン・サックス」というのは非常に「嫌な」言葉の響きだと思うのですが、そう思う日本人はあまり多くないでしょうね。
築地とゴールドマン・サックス、何か関係があったように思いますが、これも「食糧戦略」の一環だったのでしょうか。
怖い、怖い・・・・・・
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